西伊豆の素朴な風情が楽しめる井田

 西伊豆といえば、華やかな東伊豆・中伊豆とは違って鄙びた風情を楽しめるところ。松崎や土肥の風情もなかなかですが、西伊豆ならではの風情を求めて旅する向きには、ぜひ訪れてほしいところがあります。一般のガイドブックに載っていることはあまりありませんが、西伊豆の戸田(へだ)村の北のはずれにある「井田(いた)」は、素朴な風情にあふれる心温まる集落です(昭文社の「旅王国」には載っています)。
 宿にあった戸田村の歴史の本によると、井田はもともと独立した村で、後に戸田村と合併したそうですが、それもそのはず。戸田の中心地からは山を1つ越えないと行くことができません。さらに北にある伊豆長岡町の大瀬崎(ダイビングのメッカとして有名)と結ぶトンネルの新しさからは、北方面とはさらに交流が少なかったことが伺えます。つまり、かつては陸路が非常に悪かったわけで、戸田・沼津方面とも船での交流に頼っていたのでしょう。陸地にありながら島のような存在だったようで、実際「陸の孤島」と呼ばれていた時期もあるとか。現在も沼津と戸田を結ぶ船が寄港しますが、事前に申し出ておかないと立ち寄らないそうです。
 現在は県道も舗装整備され(でも細い)、戸田方面からのバスもあり(でもすごく少ない)、陸の孤島という趣はなくなっていますが(ちょっとあるかな)、約40戸の民家が静かに息づく季節感豊かな井田が都会での生活に疲れたあなたの心に安らぎを与えてくれることは間違いありません。「何があるのか」と聞かれても困るんですけどね。試しに行ってみてください。民宿もあります。
 ちなみに私たちは、海辺にあるのに真水だという明神池のほとりの芝生の上で、1時間ほどボーッと寝そべってました。近くにいた地元のオバちゃんたちを迎えに来た軽トラックのオジさんが荷台にオバちゃんを一杯積んで帰っていったのが印象的でした(道交法違反だけど・・・)。(情報提供者・野村)

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